震災後の報道で、東北の皆様の謙虚で温かい姿に接し、感銘を受け、励まされました。
そして、手仕事はその風土と気質を体現しているのではないか。もっと知りたい!触れたい!学びたい!そんな思いから暗中模索でスタートした手づくりの「東北の手仕事」プロジェクト。
まさか、こんな出会いがあるとは思ってもみませんでした。
天旗。
5月上旬の「東北手仕事旅」、仙台の朝、市場での朝食後、横山英子さん(11日トークのパネラー)のオフィスが、なんとその市場から目と鼻の先と知り、横山さんの超多忙さを知りつつもドヤドヤと朝から訪問してしまったのでした。
そんな私たちを悠然と迎えてくださった横山さん、「今、たまたま連絡があったところ」とたくさんの写真やカラーコピーを出して見せてくださいました。
その大胆で鮮やかな図柄に、一瞬、言葉を失いました。
凧?気仙沼の?創作のもの?伝統のもの?これは何?
(横浜「東北の手仕事」に登場!気仙沼の加藤さんより送って頂きました。気仙沼伝統凧・日の出凧・3尺サイズ)
西アジア、中央アジアをフィールドとするメンバーには、とくに「日の出凧」の構図が、ある種衝撃でした。
ウズベキスタンのスザニと似ている。元気いっぱいでのびのびしている太陽の図柄。
(ウズベキスタンの刺繍布スザニの構図)
横山さんから気仙沼凧の会の加藤斉克さんをご紹介頂き、連絡させて頂き、なんと「東北の手仕事」のために貴重な凧を貸して頂けることになったのです!!
(先日、気仙沼から横浜に無事到着!「てんてん天旗 天まで揚がれ!! みんなの夢のせ 大空高く!!」のメッセージ、、加藤さん、どうもありがとうございます)
気仙沼の天旗について、横山さんから頂いた資料を元に、少々まとめてみました。
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「ふるさとの凧 宮城県 気仙沼の凧」(畠山治氏・『日本凧の会会報 平成7年第1号』より引用、一部要旨)
気仙沼には「日の出凧」「屋号凧」「からげいてんばた」の三つもの伝統凧が残っており、地元の方々によって保存、伝承されている。
<日の出旗>
・日の出凧の絵の原型は、熊谷慶治氏により明治時代に創作されたものである。
・図柄は、家を建てる時の、棟上げの式に収める板絵に描く日の出の絵であるといわれている。
・大正末期には、日の出凧は廃絶されていたものの、昭和44年発行の「日本の凧」に載っていた日の出凧の写真を元に、地元気仙沼の凧師・山浦八郎氏が苦心の末、昭和49年復元した。
・日の出凧の構造は、角凧の一種で、骨は縦5本、横5本、はずかい(斜め骨)2本の12本が使われている。糸目は18糸目である。しっぽは縄を2本つける。
・歴史的にもデザイン的にも、まさに素晴しく、地元の大きな誇りである。永久に伝えられ、作られ、大空に揚げ続けられていてほしい。
<屋号凧>
・明治時代、気仙沼地方では、旧正月の14、15日に、水産加工場や魚問屋などが屋号を染め抜いた
「大正旗」を掲げたのをはじめ、天旗揚げは娯楽の一つとして盛んにおこなわれ、旧正月から春にかけての風物詩になったといわれている。旧正月の厄払いの行事でもあったという。
・明治時代の大角凧には、武者絵が描かれていたそうで、その後武者絵を描く人がいなくなり、屋号印大旗が揚げられるようになったといわれる。
・屋号は、家や店、工場などのシンボルマークであり、一目見ただけで、どこのものかは大体見当がつく。大凧に描いて揚げれば、コマーシャルになったであろうし、その屋号の凧を揚げている家は安泰である、という知らせにもなったであろう。
<からげいてんばた>
・するめ形の凧。からげいとは、魚のエイのことで、地方名である。
・他のするめ形凧にくらべて骨が特徴的。リアス式海岸の特徴である「山おろし」の強風に対応するため、弓骨が急に曲がり、風がよくしなって風を受け流す構造になっている。
(大漁)
(大漁祈願 萬祝天旗/カッコいい〜!萬祝、、わ〜、、)
加藤さん、どうもありがとうございます。感謝です。展示、責任重大。。
「日の出凧天戦記」の中の言葉、新聞連載よりご紹介。
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「日の出凧天戦記」(加藤斉克・『気仙沼かほく』での1998年の連載より引用)
・いつ、どこで、どんな凧を何枚揚げても、胸の高まりは新しい。凧は人が作るが、それを揚げるのは風の神だ。
・海岸に吹く風ほど、魅力的な風はないと思った。浜に吹く風が、潮の香りをたっぷり含んでいるのはもちろんだが、なんといってもその息は長い。ひたむきだ。気仙沼の空を支配する風神の息づかいは、特にお気に入りの風である。あしたも良い風が吹きますように。
・日の出凧は、どこに出しても決して見劣りしない素晴しい凧である。太陽をデザインしたものは全国で見られるが、日の出凧のように構図にすきがなく、落ち着きと気品を感じさせるものは少ない。
・日の出凧は、潮の香りに満ちた気仙沼港の空に高く揚がっている。今度はどの国の空に揚がるか、今から気持ちが踊っている。
(加藤斉克氏創作 印象 日の出)
加藤さんは、今も気仙沼で避難所にいる子どもたちに凧作りを教えています。今回のイベントには来場されませんが、手づくりの凧から熱い思いが伝わります。
気仙沼の「天旗」、「東北の手仕事」で高く揚がれ!!
気仙沼の子どもたちが、末永くこの凧の伝統を受け継いでいけますように。
そして、気仙沼の子どもたちに、手づくりの大漁旗をぜひとも贈りたいですね!
次回報告しますが、大漁旗制作監修は、なんと望月真理先生です!
三日間、会場に。真理先生と会いたい方、三日間とも横浜へ!
(刺繍家・望月真理さん。おおらかで強くて明るくて、天旗の太陽のような先生です)
(吉田信子さん、制作中の光景)
(群馬県生涯学習センターサイトより引用)
(生糸を手仕事で紡ぐ「座繰り(ざぐり)」の人形/高崎前橋経済新聞より引用)
(上州座繰器-岡谷蚕糸博物館所蔵/「産業遺産からみる,近代日本の製糸業」より)



(photo by ethnica)




